魚を買うとき、誰もが少しだけ期待する。
「今日は脂、乗ってるかな?」と。
けれど現実は、必ずしも思い通りにはならない。
特に天然魚は、その日その瞬間の海の答えを、そのままこちらに突きつけてくる。
脂が控えめだったシマアジ。
一見すると“外れ”に感じてしまうかもしれない。でもそれは、本当に素材の問題なのだろうか。
素材は変えられない。だが、向き合い方と秩序は選べる。
脂が少ないなら、その脂を「活かす」場所と、逆に「補う」場所を設計すればいい。
刺身、昆布締め、加熱。
部位ごとに役割を与え、それぞれが最も美しく振る舞える形に整える。
今回は、**「シマアジを買ったけれど脂のノリがイマイチだった日」**を前提に、
それでもなお、食卓の満足度を上げるためのいくつかの具体的なレシピを紹介していきます。
魚の価値は、脂の量だけで決まらない。
そのことを、改めて実感できる一皿たち。